許可のあとに続くもの
許可が出たあと、こちらから出すものが2種類あります。 毎年決まって来るものと、何かを変えたときに出すものです。 前者は日付が決まっていて、後者は「認可か、事前の届出か、事後の届出か」で扱いが変わります。
巡回指導や監査で見られるのは日々の記録ですが、こちらは出し忘れがそのまま違反になります。
出典:貨物自動車運送事業法 第9条・第23条/貨物自動車運送事業報告規則 第2条・第2条の2/貨物自動車運送事業法施行規則 第6条・第7条(e-Gov 法令検索の条文で確認)
日付が条文に書いてあるものを、先に並べます。
| 出すもの | 期限 | 根拠 |
|---|---|---|
| 事業報告書 | 毎事業年度の経過後 100日以内 | 報告規則 第2条 |
| 事業実績報告書 (前年4月1日〜3月31日の分) | 毎年 7月10日まで | 報告規則 第2条 |
| 運賃・料金の設定(変更)の届出 | 設定または変更後 30日以内 | 報告規則 第2条の2 |
| 事業計画の変更(原則) | あらかじめ「認可」 | 法 第9条第1項 |
| 事業用自動車の数の変更(増車・減車) | あらかじめ「届出」 | 法 第9条第3項・施行規則 第6条 |
| 軽微な事項の変更 | 変更後、遅滞なく「届出」 | 法 第9条第3項・施行規則 第7条 |
| 重大な事故の届出 | 遅滞なく | 法 第23条 |
🔴 毎年の2つは、起点が違います。事業報告書は自分の事業年度から100日、事業実績報告書は4月1日〜3月31日の分を7月10日までです。 決算月が3月でなければ、この2つの締切は別々に来ます。
報告規則 第2条は「貨物自動車運送事業者(貨物軽自動車運送事業者を除く。)」と書いています。一般貨物なら、5両でも100両でも同じです。
毎事業年度に係るものを、毎事業年度の経過後100日以内に、所轄地方運輸局長へ。
中身は4種類(第2項):
・事業概況報告書(第1号様式)
・貸借対照表
・損益計算書
・一般貨物自動車運送事業損益明細表(第2号様式)
・一般貨物自動車運送事業人件費明細表(第3号様式)
⚠ 決算書類が入ります。「報告書1枚」ではありません。
前年4月1日から3月31日までの期間に係るものを、毎年7月10日までに、所轄地方運輸局長へ。
⚠ こちらは事業年度ではなく、年度で区切ります。決算月がいつであっても、対象期間は4月〜3月です。
特別積合せ貨物運送を行う一般貨物事業者で、運行系統が2以上の地方運輸局長の管轄区域に設定され、かつ起点から終点までの距離の合計が100キロメートル以上のものに限る場合は、提出先が国土交通大臣になります。
⚠ 距離の合計からは運行系統が重複する部分を除きます。
特定貨物自動車運送事業者は事業実績報告書のみ(毎年7月10日まで)。事業報告書は表に挙げられていません。
出典:貨物自動車運送事業報告規則 第2条。根拠は法第60条第1項の「報告をさせることができる」で、その具体化がこの省令です(同規則 第1条)。
法第9条は、認可を原則に置いたうえで、省令で定めたものだけを届出に落としています。
出典:貨物自動車運送事業法 第9条/同施行規則 第6条・第7条。
認可には、許可のときと同じ基準が準用されます(法第9条第2項が第6条を準用)。 つまり変更後の事業計画も、輸送の安全・車両数・車庫の規模・経済的基礎で見られるということです。 「一度取ったから、あとは自由に動かせる」ではありません。
施行規則 第6条第1号を、括弧の中まで読むとこうなっています。
「各営業所に配置する事業用自動車の種別ごとの数の変更(当該変更後の事業計画が法第九条第二項において準用する法第六条各号に掲げる基準に適合しないおそれがある場合を除く。)」
増車・減車は、あらかじめ届け出れば足ります。ただしその変更後の事業計画が許可基準に適合しないおそれがある場合は、この届出の対象から外れます。
先に車庫と人を確かめてから、増車の届出をすることになります。届出を出してから足りないと分かる、が起きうる構造です。
氏名または名称・住所(法人は代表者名)/変更しようとする事項(新旧の対照を明示)/変更を必要とする理由(規則第6条第2項)。添付書類も要ります(第3項)。
出典:貨物自動車運送事業法施行規則 第6条。「運行車の数の変更」も事前届出の対象です(同条第1項第3号)。
事後の届出でよいのは、施行規則 第7条が挙げた「軽微な事項」だけです。ここに限定が入っています。
| 号 | 軽微な事項(=変更後、遅滞なく届出) |
|---|---|
| 一 | 主たる事務所の名称および位置の変更 |
| 二 | 営業所または荷扱所の「名称」の変更 |
| 三 | 営業所または荷扱所の「位置」の変更 ── ただし貨物自動車利用運送のみに係るもの、および地方運輸局長が指定する区域内におけるものに限る |
| 四 | 貨物自動車利用運送に係る事項(業務の範囲/保管施設の概要/利用する事業者の概要)の変更 |
出典:施行規則 第7条第1項。 ⇒ ★ 三号の限定を落とすと「営業所の移転は届出でよい」という誤りになります。限定に当たらない移転は、第9条第1項に戻って認可です。
🔴 「地方運輸局長が指定する区域」は、局によって違います。 本サイトはその区域を確認していません。自分の移転が届出で足りるのか認可なのかは、管轄局に確かめてください。
⚠ 主たる事務所(一号)と営業所(二号・三号)は別のものです。 主たる事務所は位置を変えても軽微ですが、営業所は名称だけが軽微で、位置には限定が付いています。
事前ではありません。設定または変更をしたあとに届け出ます。
運賃および料金の設定または変更後 30日以内に、運賃料金設定(変更)届出書を所轄地方運輸局長へ(報告規則 第2条の2)。
氏名または名称・住所(法人は代表者名)/事業の種別/適用する運行系統または地域/種類・額・適用方法(変更のときは新旧の対照を明示)/実施日。
この条は一般貨物・特定貨物・貨物軽自動車運送事業者のすべてにかかります。ただし貨物軽自動車運送事業の分は、提出先が運輸監理部長または運輸支局長です。
出典:貨物自動車運送事業報告規則 第2条の2。
| 項目 | 状態 |
|---|---|
| 期限・提出先・3段階の区分 | 条文で確認しました |
| 「地方運輸局長が指定する区域」の中身 | 局ごとに違います。確認していません |
| 各様式の記入方法 | 第1号〜第3号様式の書き方は確認していません。局が手引を出しています |
| 提出部数・提出方法 | 確認していません |
| 出し忘れたときの扱い | 法第33条の対象になり得ますが、実際の処分基準(公示)は確認していません |
| 重大な事故の範囲 | 自動車事故報告規則。確認していません |
様式と提出方法は、管轄の運輸支局・地方運輸局が配っているものを使ってください。
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著者:貨物運送手続き実務ノート ── 当サイトの運営者です。サイトと本は同じ人が書いています。
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